緑色のumbrella

NEWSに出逢えてよかった

今さらながら…2年前のタイプライターズの感想

 タイプライターズは、作家の加藤シゲアキさんの魅力をテレビで味わえる貴重な番組です。最近は鹿児島では地方の壁が低くなってきまして、ありがたいことです。

 

 今日書くのはまだ壁が高かった2年前のタイプライターズ6の感想です。西加奈子さんがゲストの回です。

 

 もちろんどの回も大好きなんだけれど、この回は私にとってとてもたいせつなことを作家の皆さんが語ってくれているような気がして、絶対忘れたくない回です。

 

 この収録の前に、アリアナグランデさんのマンチェスターのライブで自爆テロ事件が起こりました。NEVERLANDツアー中だった加藤さんも語っていましたが、西さんが作品に込める強い思いを伝えてくれました。

 

 

 

 人生とはときにあまりにも理不尽ではないか、と思うことが起きる。

 ありがたいことに私はそれほどのことはなかったけれど、つまずいたり、落ち込んだりはする。挫折のない人生なんてないし、誰だって差はあれど何かしらの荷物は背負っている。

 

 若いときはそれで出口が見えなかったりした。そんな私を救ってくれたのは小説だった。別に救いを求めて読んでいた訳ではなかった。絶望的な話を読みながら、(私、何でこの本読んでいるんだろう)と思った。急に魔法にかけられたように幸せになるなんてことは絶対にない。でも乗りかけた舟…じゃない、読みかけた本。やめるのもなあと思って、読み進めました。途中から光が差してきました。いつの間にか、雨が上がっていたようでした。

 

 読み終えたとき、自分も救われた気がしました。

 

 このときから、読書は趣味、楽しみであると同時に、何か大切なことを気付かせてくれる大事なものになりました。本当に笑ってくれていいんだけれど、本の神様がいて、ちゃんと真摯に本と向き合っていたら人生において必要な時に必要な本に出会わせてくれる、と信じています。

 

 とか、えらそうなこと言いながら、実際今は全然読めていないけどw 犬神家がまだ読めていない…_(._.)_

 

 作家が作品に込める思いが、私を救ってくれていたんだ、とちゃんと実感できた回でした。

 

 そして、加藤シゲアキさんは、生き方が作家なんだなって思いました。とても優しい。その分たくさんの葛藤があるのだろう。人が忘れていくことも抱えているのだろう。私なんかだと、ごまかしていたり、後回しにするようなことと、きちんと向き合っているのだろう。

 

 RIDE ON TIMEで「何が起きるかわからない。遺作になってもいい、と思って演じてる」言葉通りではないですけど、そんなことを言っていました。

 

 観念的な言葉ではなく、本音なのだと思います。ヨシノリ先生のとき、スタッフさんが「本当に目が見えていないと思った」と語っていました。本当にギリギリのところまで追い込んでいる。そうやって生きている加藤さんだから、レタスクラブでの言葉は重い。

 

 今回のクラウドを読んで、その事実にも、その悲しみにも、寄り添える訳ではないけれど、真摯に向き合いたいと思いました。