「グリーンマイル」遠回りに綴る感想
「グリーンマイル」観劇の旅も終わり、日常に帰ってきました。
思うことは、いろいろあれど、どこから書いていいものか、悩む訳です。
で、遠回りに、書こうかな、と。ぽつぽつ綴るうちに自分の心の内も、はっきりするかもしれません。
本当に、遠回りに行きます。
「グリーンマイル」原作本を、帰りの空港からの直通バスの中で、ようやく読了しました。
こんな告白が必要かどうか分かりませんが、自分はとても狭い人間だなぁ、と思っています。
はまれば、とことん好きになるけど、ちょっと違うな、と思うとすぐ引いてしまいます。貪欲さに欠けているんですね。あきらめが早いというか。(やりたいこと無限にある加藤さんと真逆ww)
で、何が言いたいか、というと、「グリーンマイル」の舞台が、加藤シゲアキさん主演でなかったら、この本は読み終わっていません。多分、途中で投げ出してます。ところどころ、納得できない、落としどころがわからない箇所がありました。加藤さんという指針がなければ、進めなかったと思います。
で、舞台を見終わり、本を読み終わって、自分の読みの浅さを知るのです。
いのちの尊厳とは何か?
一度しかない死に対して、どう向き合うのか?
そして、救済とは…? 呪いとは…?
舞台も、本も、物語は終わりますが、この問いに答えはありません。
ネタバレになるので、私が納得できなかった場所(一つではない)は、書きません。
ただ、そのことに関して、ちょっと寄り道したい、と思います。
「KちゃんNEWS」のコヤシゲ回の話。お悩み相談サマータイムで、ごめんなさいが言えない、というメールがありましたよね。それに対して、「ごめんなさい、って思っておけばいいじゃん」みたいに言っていました。
ここからは、想像です。
言葉にして伝えるよりも、思い続けていることの大切さ、重さを感じるのです。
いや、言葉にして伝える方が大事でしょう、と言われそうだし、もちろんそれはそうなんですけど。
思い続ける、ということは、常にその真実と生きていくこと。自分に嘘はつけないものね。
多分、加藤さんは、ここの場所での思いが深い分、その後の言葉にして伝える、が簡単には出来ないんじゃなかろうか、と思うのです。
この物語「グリーンマイル」の事実だけを拾えば、悲しいしやりきれない。
でも、それだけではないですよね。
舞台のラストシーンのほんの少し前、静止画かな、と思うくらい美しかったんですよ。はっ、とするくらい。
考えさせられる舞台の感想が、美しい、って何なの?と言われそうですよね。
私が見た11日夜の回のラストで、涙が一筋流れていた、というツイートがあったので、そのシーンかもしれません。
残念ながら、二階席だったので、そこまではっきりとは見えませんでした。でも、言葉ではない何かが、生身の人間から感じられました。伝わってきました。(多分、同じシーンをテレビで見ても感じられるかわからない)
演技って、セリフを喋る、アクションをする、表情を作る以外に、思いをためる、というのがあって、それが最後に、“光”となって放たれたみたいに思えて。
それは、輝きでもあり、哀しみでもあり…。
しかし、何て抽象的な感想なんだ!
この辺が私の限界です…。
素晴らしい舞台を見に行くことができて、幸せです。
加藤さんをはじめ、キャストの皆さま、スタッフの皆さまが、最後の公演まで、無事に全うできますように。
ブックカバーの中身は、「閃光スクランブル」にしました。